”大地は祖先からの贈り物ではなく子孫からの借り物である”

2010年12月25日

2010年度収穫後のメッセージ

会員のみなさま
今年度もはさ掛けトラストにご参加ありがとうございます。

今年もみなさまにお米をお送りする季節がやってきました。
田植えに来てくださった方、炎天下草取りをして下さった方、稲刈りに来てくださった方。イベントには参加出来なかったけれど、遠くから見守ってくださった方。本当にありがとうございました。お待ちかねの新米。今年はどんな味でしょうか。

毎年、同じ気候の年は無いと分かってはいましたが、今年の夏は暑く、そして雨の降らない厳しい年でした。
そのなかで、それぞれの生産者が、田植えをし、草取りをし、畦の草を刈り、毎日水の調節をしながら、やや暑さの和らいだ9月の後半に稲刈り・はさ掛けを終え、今度は雨の日が多くなった10月の晴れ間に脱穀・籾すりをして、ようやく出来上がったこの「はさ掛け米」。無事皆様にお届けすることができて、正直ホッとしています。
実は今年、切井と黒川ではさ掛けしたお米をイノシシにやられるというハプニングもありました。せっかくここまで育てて来ても、イノシシに入られれば、一晩で全滅してしまいます。この暑さとイノシシの被害で、今年のはさ掛け米は昨年と比べて収量がかなり減ってしまいました。
このままでは、皆さんにお届けするお米が随分と少なくなってしまう。そこで、今年から私達と一緒の苗でお米づくりをはじめた三戸(さんと)さんに、急きょ生産者として参加して頂くことにしました。
そうやって、どうにかこうにかかき集めて、今年皆様にお届けできるのは一口38kgの「はさ掛け米」です。なんとか一口40kgにしたかったのですが、このようなこともあって、申し訳なく思います。

さて、今年のお米はどんな味でしょうか。昨年と比べて変わりましたか?
どの生産者のお米が届いたか、袋を見て確かめてください。米(マイ)スター生産者を選ばれた方は、間違いなくその人のお米が届いているでしょうか。生産者メッセージを読みながら、はたまたパンフレットの顔写真を見ながら、今年のお米をどうぞお召し上がりください。

はさ掛けトラストの生産者は、もう来年に向けて動き始めています。今年の反省もいろいろあります。変動する気候や獣害など、対応出来ること、出来ないこともいろいろあります。しかしその経験を来年に活かして、毎年たった1回きりのお米づくりを、精一杯楽しんでいます。
ちょっと前に進んでいるような、いやむしろ下がっているような、そんな無農薬のお米づくりですが、今後も皆様に支えられながら進めていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

追伸
来年から、はさ掛けトラストで集めた藁を使って、ストローベイルハウスの家づくりが始まります。この5年間、こつこつと貯めた無農薬の藁がようやく日の目を見ることになりました。こちらもワークショップ形式で皆様にご参加いただこうと思っています。詳細はまた改めてお知らせ致します。

おまけ
塩月家のMY田んぼ。
今年はものすごい数のオタマジャクシが棲息していました。畦を歩くと逃げるオタマジャクシで波が立つくらい。今年の田んぼは雑草が少なかったのですが、これはもしかしたらオタマジャクシのおかげかも知れません。彼らが巻き上げた泥が、小さな雑草に降り積もって、成長を抑えてくれたのかも。
そこで・・・ここにオタマジャクシ除草法を発表します!
1. 他の田んぼより早く水を張って荒掻きを済ませ、沢山のカエルに産卵してもらう。
2. 孵化するまでトラクターを入れない。
3. 代掻きするときは、オタマジャクシが逃げられるスピードで。
4. オタマジャクシが苦手な人とは田植えをしない。
5. 中干しは、みんながカエルになってから。
以上を守れば、近所迷惑なくらいのカエルの大合唱が聴けます。

はさ掛けトラスト事務局:塩月洋生 ku-sumu@slowdesign.net


名古屋からこの4月に実家のある黒川に定年退職し戻ってきました。
孫たちに安全で安心して食べさせたい一心から有機農業を始めました。
日々の農作業はサラリーマン時 代と違いストレスのない新しい発見の連続です。
人と人とのふれあいとであいを大切にし、米・大豆作りを行っています。

生産者:三戸茂治


8月31日の毎日新聞コラムで「失われる日本の原風景」として、田んぼから消えた赤とんぼの記事が載っていました。
昭和30年代から行われてきた大型耕作機械の導入から始まった慣行農法により赤とんぼに異変が起きたというものです。田植え機による苗の移植作業は5〜6株の苗を植え付けます。そうすると苗が必要以上に分株してしまいます。 稲の無駄な株別れを防ぐために5月中ごろから田から水を抜く「中干し」のために赤とんぼの羽化が出来なくなってしまったというものです。かえるも同様オタマジャクシのままで死んでしまいます。
それに対して私たちの有機稲作では丈夫に育てた苗を1〜2本うえて分株を促すために早期の中干しは行いません。赤とんぼの羽化もかえるの生育も支障なく行われた結果として田んぼに生き物たちが豊かに育ちます。
私たちの作ったコメを赤とんぼ米と称する所以でもあります。

生産者:西尾勝治 nisimasa@poem.ocn.ne.jp


今年は猛暑で人も稲もバテ気味で・・・
草に悩まされ、はざ掛け後には猪の被害も・・・
今回は麹菌の話しをしたいと思います。
昨年の米に黒いものが混じっていました。石か虫か・・・?
こんな米を渡してしまったのかと落ち込んでいたのですが、
だんないわく、無農薬栽培をしていたので
自然界の麹菌が稲穂についたとの事。
今まで考えもしなかった出来事にビックリしたと同時に
なんだか不思議な気持ちになります。今年もちょっぴり
付いちゃったみたいです。
今年は家の田んぼで『しゃぼん玉』のメロディーが聞こえるかも
知れません。(だんなの携帯が埋まってます)
どこか間の抜けた私達ですが、これからもお付き合い
よろしくお願いします。

生産者:佐伯福視・千賀子


★今年は暑かったですね。雨もずいぶん降りました。夏は涼しく快適だと思われている黒川もどうしてどうして厳しい夏でした。
黒川の1998/9〜2010/9までの観測データを比較すると、はっきり出ています。
月間降水量では今年7月(635.0)と同6月(546.0)が観測史上1位2位を独占、月平均気温は今年8月(25.3℃)が1位、日最高気温は今年7/22(35.6℃)で2位、同9/4(35.3℃)が3位でした。5月までは冷夏を予想させる低温が続いたと思ったら、一転6月以降は昨年よりも平均気温が約2℃高くなり、お盆以降はカラカラ天気で、夏野菜がだめでした。
結果、黒川の最近の話題は、「キノコ取りに行ったかね」。道の駅にも出荷され、大豊作。大豆も鞘数多く、大いに期待が持てそう。でも、お米はダメージが大きく、今年は我が家も買わないと持たない見込み。トラストの皆さんにも配当が十分でなく申し訳なく思ってます。竹箒除草機や田車で何日も田んぼに入ったのにと思うとちょっと悔しいですが、天気相手の仕事はこんなもの。来年に向けて秋の土作りにこれから取り組みます。

生産者:藤井鉄弘


和ごころ米(マイ)スターこと、伊藤和徳です。
今年の夏は本当に暑く、また雨が全然降りませんでした。そんな不安定な気候のもと、1反5畝の米作りに初挑戦しました。
初心者の私でも、西尾さんや塩月さんをはじめ、ご近所のおじさんから友人などなど総勢22名の方のお力添えを頂き、お米たちも
異常気象に必死に耐え、1年目の米作りを無事終えることができました。
ほんのり塩味がしたら、それは僕らの汗かもしれません(笑)

私のお米はカメムシ君たちのいたずらが少し目立ちます。安全の証としてご賞味頂けたら幸いです。
今年の米作りは終わりましたが、土作りなど来年に向けてしこみ作業をこれから頑張ります。
応援本当にありがとうございました。

食卓に笑顔が届きますように。

生産者:伊藤和徳 imac_ikazu@mac.com
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2010年02月08日

2009年度収穫後のメッセージ

今年の私どもの有機はさ掛け米の生産に協力応援を頂きありがとうございました。

私達の稲作は民間稲作研究所が提唱する「田んぼの生き物のいのち育む稲つくり」をテーマに昔から田んぼに生息する生き物を大切にして彼らとつきあいながら、稲の成長を見守ってまいりました。例えば苗の根張りをよくするために行われる中干しですが、慣行農法では中干しを早期にやる事によって孵化したばかりのおたまじゃくしは水がなくなって死んでしまいます。干し上がった田んぼの中で無数の彼らの屍骸が悪臭を放ちカラスを誘います。私達は田植えの時期をずらし、おたまじゃまじゃくしがかえるになるのを待ってから中干しを行います。田んぼの中に増えたかえるたちはカメムシなどの害虫を食することで、防除のための農薬散布の必要をなくしてくれます。

田んぼに棲息する益虫、害虫、ただの虫たちは各々がいきいきと活動する中で自然の生態系のバランスを守ってくれます。農作業の中で背負い虫やゲンゴロウを見つけることは山の中で小鳥に出会いきれいな鳴き声を聞きながら作業をすることと同じように楽しいものです。

古来から行われてきた日本の稲作は意識するかどうかにかかわらず自然環境を大切にしてきました。生物多様性が叫ばれる近頃ですが、耕作面積拡大、効率追求だけではとても採算が取れない現状ではもう一度昔の稲作の良さを考えてみる必要があると思います。

2009.10.16    はさ掛けトラスト生産者      西尾勝治

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”コオイムシ”はただの虫。

はさ掛けトラストに参加させていただいて、年々田んぼの生き物が増えていくのを実感しています。
その中で一番目立つのが”コオイムシ”です。
卵を背負った姿は微笑ましく、愛おしささえ感じます。
”コオイムシ”は益虫でも害虫でもありません。いわば、”ただの虫”です。
そんな虫が増えていくのを喜んでいるのは変でしょうか?
益虫か害虫かは、あくまで人間から見た話です。
”コオイムシ”も食物連鎖の中で自然界に大切な役割を担っています。
害虫が居るからそれを食べる益虫がいる。
害虫だけを取り除く事は難しく、その為化学農薬で一網打尽。これではただの虫もいなくなってしまいます。
少しは稲に悪さもするけれど、生き物いっぱいの田んぼは、一つの虫だけが多発するのも防いでくれます。それがはさ掛けトラストの田んぼです。

ところで知っていますか?
”コオイムシ”が卵を背負っているのはオスだけだって事を。
しかも背負っているのは複数のメスのものだというから奥深い。

農業という生業は非常に難しい職業です。自分ひとりが頑張っても中々上手く行きません。天候や草に悩まされながらも、地域やトラストの人達、田んぼの生き物に助けられながら、来年も頑張ります。

はさ掛けトラスト生産農家             佐伯薫

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今年の夏、我が家の有機田には蛍が一杯。
毎晩孫を連れて田んぼに行くのが楽しみでした。
有機の田作りの目標が一つ達成出来ました。
でも田の中には雑草が一杯、今年こそは…と草と格闘。
奮発して動力除草機を買って転がしてみたものの負け。
それでも去年は見かけなかった新しい虫(昔はいた)の発見に感動しながらの米作りです。

2009年10月吉日
はさ掛けトラスト生産者             佐伯福視

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はざかけ生産者コメント
大豆作跡地を冬水田んぼにして、手押し車で除草、はざ掛けで天日乾燥しました。遅い田植えが今年の天候不順を乗り切って、順調に仕上がったと思っていますが、味の方はどうでしょうか。ご意見・ご感想をお聞かせください。 藤井鉄弘

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2009年度の新米をお届けします!

今年もはさ掛けトラストにご入会いただきまして、ありがとうございます。
なんとか、無事に収穫まで辿り着きました。

6月の空梅雨と思いきや、7月に入ってからの長雨と日照不足、こんな年は、イモチ病と呼ばれる病気が出やすいそうです。イモチ病にかかると、実が入らず、次々伝染していくので、大幅な収穫減になる場合もあります(ほぼ全滅になる場合も)。しかし、慣行農法(一般的な化学肥料、農薬、除草剤を使った農法)では、一番最後に使う農薬として、その残留性が心配されます。農薬を使わないというのは、草との戦い、だけでなく、病気が万が一出たら…、という”掛け”でもあるのだなぁ、と実感した年でした。
病気になりにくい稲を育てるためにも、丈夫な苗作り、1本植えで風通しを良くする、なども、大切な対策の一つです。

塩月家個人の田んぼでは、今年は昔ながらの苗代を作って苗を育てました。田植えは1本植えで、お手伝いを頼みながら、6畝の田んぼを全て手植えしました。出来はまずまずだったのですが、日が早く陰るところで、後半、イモチ病が出ました。グレーの実の入っていない稲を見ると、これが一面を覆っていたら…、と思いゾッとしました。作物を育てるのって、本当に1年1年違って、その年の気候にものすごく左右されて、人間のやるべきこともたくさんあるけれど、祈るしかないこともやっぱりあるんだなぁ、とつくづく感じます。

今年は、やはり天候の影響もあって、3人の生産者の皆さんのお米は「出来いま一つ…」だったようです。しかし、年々はさ掛け米や無農薬米の需要は増えていて、3人の生産者さんだけではまかないきれないということで、今年から初めて農業を始めた、藤井鉄弘さんに助っ人を頼みました。マイマイ通信でも詳しくご紹介しますので、よろしくお願いします。

はさ掛けトラストを始めて4年目。
農薬や化学肥料を使わない田んぼは少しずつですが、確実に増えています。
そして、有機農業に関心を持つようになった、農のある生活がしたい、という人の繋がりもどんどん深まっています。そして、ついに今年、都会から”黒川の住人”になった会員さんがいらっしゃいました。

塩月家も黒川に来て2年が経ちました。田舎の慌ただしい生活に少々パンク状態です、ホームページの更新、メーリングリストの活用、実行に移せなかったイベント、などなど、至らない点も多々ありました。どうぞ、気づいたこと、改善したら良い点、今年のイベントやお米の感想など、今後のためにお知らせください。
そして、ご報告。3人目の赤ちゃんが、お腹の中でゴニョゴニョ育っています。
またまた、いろいろご迷惑をお掛けすることもありますが、皆さまにご協力いただきながら、なんとか、長く運営を続けていきたいと思っています。

今年のお米の味はどうでしょうか?せっかくのマイスター生産者さんなので、どうぞ、生産者さんご本人にお米の感想、その他消費者からのご意見お伝えください。

どうぞ、今後ともよろしくお願いします。

はさ掛けトラスト事務局


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2009年07月15日

2008年度収穫後のメッセージ…

今年も多くの皆さんに稲つくりの支援を頂きありがとうございました。
種まきから脱穀まで常に20人以上の大人や子供たちそしていきものたちでにぎわった田んぼも今は晩秋の穏やかな光を浴びてひっそりと静まり返っております。
有機稲作3年目の今年こそ慣行田並の収量をと意気込んで昨年の秋から土つくりを心がけてきましたが今一歩及びませんでした。
それでも秋口には生き物調査を宇根先生の指導でおこなうことが出来、田んぼの生き物の豊かさを実証できたことは、これからも有機稲作を続けるうえで、大きな励ましとなりました。さらに毎日新聞主催の農業記録賞に「いのち育む有機稲作」として応募、全国区には及ばなかったものの地区入賞を果たすことができました。
さ掛けトラストの皆さんと作る有機稲作がさらに進化発展して行くことを期待しています。
         2008・11・16

西尾勝治

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「親が子に伝えることは」
10月4日、白川町で劇団ふるさときゃらばんの公演がありました。
そのフィナーレで歌われたのが「親が子に伝えることは」という歌でした。私のとても好きな歌です。
今の私達に、将来何を子供達に残すことが出来るのでしょうか?
はさ掛けトラストの水田は、安全安心な米とワラを創り出します。多くの生き物達があふれる田んぼになります。山里の風景に安らぎを与えます。たずさわる人達に笑顔を増やします。
トラストの田んぼには「親が子に伝えたいもの」があふれています。
その田んぼのお米、めしあがれ!

はさ掛けトラスト生産農家             佐伯薫

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無農薬栽培田3回目の収穫の秋
昨年は少しだけ収穫量アップで内心ニコッ^o^
来年はもっとニンマリしたいと取り組んだ今年、あまりの雑草の多さに、草取り途中でリタイア。毎年農業1年生で頑張っています。
今年もまたはさ掛けトラストの人達との新しい出逢いもあり、とても楽しみです。
これからも、自分たちで出来ることを一歩一歩進んでいけたらいいと願っています。

はさ掛けトラスト生産者             佐伯福視

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はさ掛けトラスト会員のみなさま

木々が色づき、風もひんやり、気持ちのいい季節になりました。
今年度のお米づくりは、「お湯の温度は何度やったっけ?」なんて言いながら、わいわいと作業した種籾の温湯消毒に始まり、鼻の穴が真っ黒になった種まき、素足に泥が気持ちいい田植え、暑い中の草取り、雨に悩まされた稲刈り&はさ掛けと、一通りの作業を体験しました。福岡から宇根先生を迎えて、田んぼの生き物調査も行い、農薬や除草剤を使わないということが、生きる場所(産まれる場所、育つ場所、死ぬ場所)を創り出しているのだということを、田んぼの虫たちを通して改めて思い知らされました。そして、新しい会員さんも増え、新しい出会い、交流がありました。また作業には参加出来ないけれど、応援したいと入会してくださっている方もいます。たくさんの方に支えられ、たくさんの生き物に背中を押され、たくさんのことを学ぶ場になりました。

改めて、今年もはさ掛けトラストにご入会いただきまして、ありがとうございます。
みなさまの投資が、田んぼを、農地を、そしてそこから流れていく川の水を、たった一部分ですが、農薬や化学肥料、除草剤の害から守り、虫たちを生かし、心ある農家さんの支えになりました。
ほんの一部分でも、カエルは何億個もの卵を産み、田んぼにホタルが舞い、トンボが産まれ、育ち、飛回り、生きることが出来ます。人間も大人と子供が心置きなく泥にまみれて、お米をつくり、そのお米を食べることで生かされます。

そんなちっぽけな一部分の喜びがこのお米につまっています。

今年度のお米の配分は1口40kgです。

黒い粒が混じっていますが、これはカメムシに養分を吸われたお米です。
食味にはほとんど影響しません。農協ではこの黒い粒が1000粒に何粒か入っていると、見た目が悪いという理由だけで、お米のランクを下げ、買い取り価格を大幅に安くします。農家さんにとってお米の価格を下げられるのは生活に関わってくる大きな問題です。そのために、慣行のお米づくりでは、カメムシ防除の農薬を撒きます。ヘリコプターを使って大範囲に農薬を撒くことも未だ続けられています。黒い粒が入っていることは、害虫と呼ばれる生き物もいる田んぼの証だと思って食べてください。

はさ掛けトラスト事務局
塩月祥子
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2007年12月08日

2007年度収穫後のメッセージ

私の有機稲作
   
はさ掛けトラスト2年目を迎えるとともにゆうきハートネット仲間達が各々の田んぼで情報交換しあい学びながら取り組む有機無農薬稲作2年目の事業としても意味を持つ今年の稲作をわたしの田の実績に添いながらふりかえって述べてみたいと思う。

1. 雑草対策
除草剤を使用しない有機稲作は雑草との戦いに終始するといっても過言ではないくらい。昨年までは取っても次々に生えてくるヒエの抜き取りにエネルギーを費やし、はさ掛けトラスト会員の皆さんの応援を受けたが収穫時にはかなりの種を落としてしまった。今年は稲葉さんが主宰する民間稲作研究所の方式を全面採用した。4.5葉期の成苗植えによる深水管理をすることによりであとから生えてくる雑草のヒエを窒息状態にしてを抑えこもうとする試みだ。そのためには今まで農協から購入していた温室育ちの稚苗では耐えられない。無加温の自然育苗で草丈が15cm以上、5cm程度の湛水管理をしても水没しない苗、つまり4,5葉苗を独自に作ることになる。苗作りは4月10日の種まきから始まった。いや厳密には3月10日の種モミ処理からはじめたことになる。有機栽培農家から購入したヤマヒカリの種モミを塩水選した後、水温60度の温水に15分浸して伝染性病害虫を防除する。その後はきれいな低温流水に浸して種まきを待つ。4月10日の種まきには多くの会員の協力を得て手早くすますことができた。露地で1ヶ月以上にわたってゆっくり育てられた苗は目標とする4,5葉期以上の丈夫なものとなって5月26日の田植えを迎えることが出来た。その後の状況は田植え前の代掻きのまずさから田んぼの均平が不十分で深水にならなかった一部を除き、ヒエの発生は見事に抑えることが出来た。まず雑草対策の第一ステップはクリアーできたといえる。次は後で述べるこなぎ、おもだか等の水生雑草対策が課題となる。

2. なまずの養殖
県河川環境研究所と町の依頼でなまずの養殖実験に協力した。池や水槽でなまずを養殖すると共食いで稚魚数が激減してしまうとか。水生生物など餌も豊富な無農薬の水田ならば共食いが避けられるとの見通しで6月26日孵化したばかりの1〜2ミリの稚魚8400匹放流。約3週間後の7月21日に回収した。回収率は約1割、体長3〜4cm約3週間で100倍以上にもなるなまずの成長にはおどろく。旺盛な食欲にもよるがなによりもこの無農薬田にはやごやミジンコをはじめ、かれらにとっては豊富なえさの存在が成長を促進したことになる。生育後半にはおたまじゃくしや小型の蛙まで彼等のえじきになったようだ。 一定の大きさに成長して共食いの心配の無くなったなまずは(財)クオーレの里の養魚池で飼育され、いずれは美濃白川銘産のなまず料理として観光客に振舞われる予定となっている。

3. 浮き草―
田植え直後からアオウキクサやアミミドロが田面を覆いはじめた。昨年も田の3分の1位が覆われたが農薬残留がほぼなくなった2年目の今年は早くから広い範囲ですすんでいる。なかには環境省指定の絶滅危惧種イチョウウキゴケも見受けられる。今年は7〜8割程度が覆われた。初期から浮き草によって覆われた部分ではほぼ完璧に雑草を抑えることが出来たが遅くなって覆われた部分や浮き草が発生しなかった部分では大量のこなぎの繁茂により、養分を取られた稲苗の生育が悪く、最後まで貧弱な茎と穂の状態で終わってしまった。日光の入光をさえぎって雑草の生長を抑える浮き草や藻類をいかに広くしかも早期に作るかがきめてとなる。養分となるこめぬかや大豆かすなどをいかにタイミングよく均等に散布するか来年度の課題である。
なお浮き草は用水に含まれる過剰な窒素や燐酸を吸収し、水質を浄化するとともに空気中の炭酸ガスを取り込み、光合成を盛んにして酸素を空気中に放出する効果がある。国内の多くの水田でこのような取り組みがなされたなら地球の温暖化防止にも少しは貢献できると思うのだが。

4. いきものの躍動―
除草剤を使用し、早期に中干しを繰り返す隣の慣行農法田に比べて湛水状態の私の田んぼは多くの命でにぎわった。おたまじゃくしやどじょう子負い虫などの水生昆虫や動物、蜘蛛やとんぼとウンカなどの益虫、害虫、ただの虫。それらを狙って飛んでくる6〜7月はツバメ、8〜9月はあかとんぼが上空を舞う。これらの生き物の数が隣の田んぼにくらべてあきらかに多い。いつも決まったように朝方舞い降りる青鷺を見て近くの老人からはおまえの田では青鷺を飼っているのかと疑われる始末。害虫も多いということだろうが、さして目立った被害がないところをみると彼等の天敵たちの数も多く活躍してバランスをとってくれたことだろう。
今、除草剤を使わない稲作として合鴨除草による方法が脚光を浴びているがこの方法では雑草だけでなく水田に生息するすべての生き物が合鴨に食べられてしまい、稲と合鴨以外は死の世界と化してしまう。
水田生物の多様性を豊かにすることで抑草につなげるとする民間稲作研究所の方法はいままでの稲作技術では考えもされなかった手法だが、共生の時代だ。自然の生態系を大切にしながら米の生産に取り組む、時代に叶った農法として評価したい。
来年は本格的に田んぼの生き物調査に取り組みたい。

5. はさ掛け乾燥
効率性をもとめる近代農法ではコンバインで刈り取った籾はすぐにライスセンターに持ち込まれ火力で乾燥にかけられる。含水率20数%から一気に10数%程度になる過程で食味の低下は避けられない。         はさ掛け米ではその過程を自然乾燥で2週間かかって行う(今年のはさ掛け後の含水率15,7%→14,5%)ことにより品質と食味を保つことが出来る。 はさ掛け乾燥米は翌年の梅雨時を越しても食味が落ちないといわれているが、計器では計れない微妙な違いがそこにあるのだろう。まさにスローフードの極みである。名古屋オアシス21の朝市村(ファーマーズマーケット)では従来の乾燥米より2割高く販売しているにもかかわらずはさ掛け米の味を求めて訪れる客に量的に対応できないまま終わってしまった。たしかに茶碗1杯20円程度の米が24円になったとしても、添加物漬けのコンビニおにぎりの1個100円に比較すればずっと安い。安心安全プラス食味さらには生態系を豊かにする効用を考えるなら有機はさ掛け米の値打ちは金には換算できないもっと大事なものがあると思う。

さて、会員の皆さんの協力によってはさ掛け米も収穫の段階を迎えるが9月24日の稲刈りは前夜の大雨でせっかく乾いていた田んぼもぬかるみ状態となってしまい、作業に難渋した。
その後も天候不順のため田の乾きが悪くてバインダーが入らずすべて手刈り作業のはさ掛け、昔の農家の重労働をしっかり体験した。脱穀、籾摺り後の収量は昨年より向上したものの元肥不足とこなぎに養分を取られて期待通りにはならなかった。先にも述べたように稲の養分を横取りするこなぎ対策と土作りが今後の課題となる。

はさ掛けトラスト生産農家  西尾勝治

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今、白川のダッシュ村では、収穫の終わったトラストの田んぼに、堆肥の散布や
トマトの残渣を運び込む作業をしております。

有機無農薬の米作りを2年間経験させてもらい、土作りの大切さを痛感させられ
ています。
今年は一年目よりは、収穫量も品質もアップいたしました。
しかし、慣行の米作りに比べたら、まだまだです。
化学肥料や農薬を使わないから取れないんだと言ういい訳はしたくありませんし、有機無農薬の米作りでも慣行の米作りの成績はきっと上げられると思っています。

今年のあの力強い大きな穂をみたら、可能性を実感しました。
土が変わって、生き物が溢れかえるような田んぼで、うまい米をしっかり採る。
手間は掛かっても収穫の喜びを実感出来る米作りをやろう。
もう心は来年の米作りに向かっています。

その為にも、収穫が終わった田んぼには今年のお礼と来年の豊作を祈りつつ、
土作りの元になるいい堆肥を運び込んでいます。

8月末日に生まれた山羊達も、日増しに逞しくなり田んぼを走り廻っています。
名前もつけました。
地元の中学生に募集してその中より
オスは「ま〜くん」
メスは「そら」と、名づけました。

白川の田舎体験を山羊ともどもお待ちしています。

白川町切井      佐伯 薫

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消費者の皆様の安心と安全を想い、牛糞、干し草を基に有機無農薬米です。
きれいな白川の水に、ミネラル一杯の麦飯石粉をたっぷり使い、冷えても美味のコシヒカリをご賞味ください。

白川町切井      佐伯 福視

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2007年度のお米をお届けします!

天高く馬肥ゆる秋・・・、皆様お元気でいらっしゃいますか?
楽しみにして頂いている”はさ掛け米”をようやくお送り出来ます!
今年は種まきから皆さんにお手伝いいただきました。張り切って農作業にご参加いただいた皆様、ありがとうございます。皆様のおかげで、とってもおいしいお米になりました。
生産者の皆さんからメッセージをいただいています。
2年目の無農薬のお米づくり、異常気象に悩まされ、予期せぬ雑草の出現!に焦り、収穫時期の雨・・・、たくさんの苦労がある中で、四苦八苦しながらも、皆さんとても楽しんでお米づくりをしていらっしゃるのが印象的です。田んぼの話しをしているときの生産者の皆さんのとても楽しそうな、そして優しい顔を見ていると、それだけでここのお米を食べられる幸せを感じます。
無農薬で作るという意気込み、苦労、楽しさ、そして、虫や植物と共存するという
忘れてはいけない大切な想いがじわじわ伝わってきます。
生産者、会員さん、応援してくれている方々、そして、ここ白川町の自然と生き物たち、たくさんの想いのつまったお米、味わってください。

はさ掛けトラスト事務局
塩月祥子

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2006年11月10日

2006年度収穫後のメッセージ


はさ掛けトラスト会員のみなさまへ

田植えに始まり収穫まで、私のはじめての有機無農薬米の生産にご協力戴き有難うございました。
私が参加している「ゆうきハートネット」は町内で有機栽培を目指す農業者の任意のグループですが、かけごえとは裏腹に主食である米については完全有機無農薬栽培することになかなか踏みきれない状態が続いておりました。今年の新年会で麦飯石(日本で唯一ここでしか産出しない薬石)を使って米を作ろうとの提案がいっきに無農薬栽培にまで進展して取組みの決意だけはなされました。ところがてまひま懸けて作ったとしても、それを評価し購入してくれる消費者を見つけなければならない。いくつものグループや団体との接触もなかなか条件があわないものばかり。もう田植えが始まるちょうどその頃はさ掛けトラストとの出会いがありました。あとは一気にすすむのみ。種籾段階から有機米の購入、温水浸漬による消毒、いつも一度だけはやっていた除草剤散布の停止。周辺の農家が今年から始めたヘリコプターによる農薬散布への抵抗。以後は会員のみなさんの協力による幾度かの草取りと刈り取りからはさ掛けそして脱穀まで、沢山の方々の応援と協力で何十年ぶりに有機はさ掛け米が出来ました。6〜7月にかけての低温長梅雨による影響に加えて、化学肥料から有機肥料に転換したことによる肥料計算の間違いから収量は極端に減ったものの、味はたしかに向上しました。来年こそは味のうまさだけではなく、収量もしっかり確保しようと耕起のまえに、完熟の無薬豚糞を投下するなど、土作りに精を出しています。
 担い手農家育成の掛け声のもとで進む小農の切捨ては米作りの分野で特に顕著に進むと思われます。そんな中で生産者と消費者がともに手を携えてすすめるはさ掛けトラストのような取組みがもっと広がることが自然をゆたかにし、産消共に安心で安全な農業を持続させる道だと思います。
 生まれたばかりのこの試みがさらに多くの生産者と消費者を巻きこんで広がることを祈念します。
                               西尾勝治

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私の米を食べていただくことになり、うれしく思っています。
この米の品種は「ひとめぼれ」で、無農薬・無化学肥料で、昨年の秋に堆肥として無農薬の大豆で作った豆腐のオカラを入れて作った米です。
平成元年から除草剤1回だけの減農薬で米づくりをしてきました。無農薬では絶対無理だと思っていたのですが、合鴨農法によって問題の除草がクリアできたので平成10年から6年間合鴨農法でやってきました。
しかし合鴨が田の中の生物を食べつくしてしまい、私が目指している豊かな田圃とはこんな姿ではないと思い、合鴨農法から脱却して、米ヌカ除草による米づくりを始めました。
私が子どもの頃に入っていた田圃には、沢山の生き物がいたことを覚えています。今、少しでも昔のような豊かな田圃の姿を取り戻したいと思っています。今年で2年目になりますが、少しずついろいろな生物を目にすることが出来るようになり、特に今年の田圃の中に糸ミミズが沢山いるのを見つけ感動しました。土の中にミミズがいるというのは、土が豊かになってきているという大きな目安だと思っていますので、本当にうれしかったのです。地域の中でもミミズが田圃に住んでいるというのは私の田圃だけだと自負しています。
私の中では、昔のようないろいろな生物が沢山住んでいる豊かな田圃に少しでも戻したい、ということだけでなく、昨年から苗代作り・あぜ塗り・手植えによる田植え・草取り、そして今年は何十年ぶりかに「はさ掛けトラスト」の人達に尻をたたかれて、はざ掛けをしました。
稲作の文化を少し感じる今年の米作りでしたが、こうした昔の作業が、いま楽しく、意義深く感じるのは何を意味するのか、そして自然にやさしい豊かな田圃での米作りは、人の心までも豊かにしてくれると思います。
今年は、7月の長雨と8月の猛暑によって、昨年より3割も減収してしまいました。無農薬だからこそ稲を健康に育てなければなりません。稲が健康であれば天候に左右されることなく収穫出来るはずですので、そんなことを反省しながら、また新たな気持ちで頑張りたいと思っています。
                      「里の米」生産者 中島克己

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「わたしの米づくり」
                 
むぎめしトマトに取り組んで5,6年になるでしょうか。
自分ではよくわかりませんが、むぎめしトマトが、おいしいと言って下さるお客さんが少しずつ増えています。
{麦飯石}の効果がすこしずつ表れ始めたのでしょうか?

そんな中での、今年の米作りは{麦飯石}を施用してみようと言うことになりました。

「そしてどうせやるなら、有機、無農薬で行こう!」
そんなチャレンジから出来たお米です。
先人の知恵や、工夫を参考に、仲間たちのアドバイスを受けながらの米作りは、
天候のことや、いのししの被害にもあって決して上出来とはいえませんでした。
でも、来年につながるいい経験が出来ました。

{麦飯石}の効果が初めての年で、どのくらい出たのかわかりませんが、
白川の自然の中で育った「麦飯石米」を、お召し上がりください。
                              佐伯 薫

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今年度は、はさ掛けトラストにご入会・ご参加頂きましてありがとうございました。私たちは、まずストローベイルハウス(わらと土の家づくり)に出会いました。その魅力を探るうち、自然素材を使うなら、本物の自然素材を使いたい!循環型建築であるならば、本当にいい循環であってほしい!そう思い、藁の入手先を探しました。しかし、無農薬でお米づくりをしている農家さんも多くはなく、藁についても、すでにいい循環が出来ていたり、あったとしても、少しの藁を回収するのにあちこち走り回るのも得策ではなく、それならば、自分たちでお米づくりからするのはどうだろう…という、気の遠くなる(?)ような、THE SLOW LIFE? BUSINESS? にたどりつきました。
そんな夢物語を、このような形でたくさんの方々にご協力頂き、まず一歩踏み出す事が出来ました。初めての取り組みのため試行錯誤の連続。皆様にはご面倒をおかけした事が多々あったかと思います。しかし、このお米!本当においしいんです。皆様の汗と涙と愛情と想いがたくさん詰まっています。そして何よりも、白川町での農家さんとの出会いは、私たちにとってかけがいのないものになりました。農業を愛すること、自らの手で食べ物を創り出すこと、自然の中に身をおくこと、循環型の生活をすること、有機農業の難しさと楽しさ、家族の絆…たくさんのことを学ばせて頂きました。来年度、そしてその先も、汗水、涙を流して、泥にまみれて、藁にまみれて、生き物にまみれて、ここ白川町で農作業から家づくりまでやっていけたら、と思っています。
皆様のお陰で、地球の、日本の、ほんのちっぽけではありますが、大地と生き物たちが、農薬や化学肥料で死んでしまうことなく、生き生きと生きることが出来ました。ありがとうございました。
いろんな想いを抱きながら、味わってください。
                        はさ掛けトラスト事務局
                        塩月洋生・祥子

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posted by 管理人 at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 生産者のメッセージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする